文化財
5件の国宝と29件の重要文化財
主な文化財
国宝
木造大日如来坐像(中央)
<もくぞうだいにちにょらいざぞう>
木造不動明王坐像(右)
<もくぞうふどうみょうおうざぞう>
木造降三世明王坐像(左)
<もくぞうござんぜみょうおうざぞう>
(鎌倉時代)
密教の図像でも特殊な形式と考えられる尊勝曼荼羅〔そんしょうまんだら〕を、大日如来(平安時代)、不動明王(鎌倉時代)、降三世明王(鎌倉時代)の一組であらわしています。
平成大修理の大規模調査の結果、胎内にあった墨書から、「不動明王坐像」は仏師・快慶の高弟、行快(ぎょうかい)の作で、天福2(1234)年に完成したこと が判明。また、3体がそろうまで約50年という歳月がかかっていたことも判明し、平成29(2017)年3月10日、国宝に指定されました。
国宝
延喜式 巻十四 <えんぎしき>
部分(平安時代)
平安時代につくられた法律のことを書いた書物のひとつ。
延喜5年(905)から延長5年(927)にかけて作られた原本は、すべて失われており、金剛寺に残る延喜式は、平安時代末の大治2年(1127)に書き写されたものです。延喜式の写本のなかでは最古のもので、書かれている内容が非常に貴重なことから国宝に指定されています。
国宝
日月四季山水図 <じつげつしきさんすいず>
6曲1双(室町時代)
四季が美しい色彩で描かれた6曲1双の屏風。
室町末期16世紀中頃に描かれたといわれています。作者は不明ですが、図案的構図と装飾的画趣は独創的で、桃山時代の作とする説もあります。密教儀式の「灌頂〔かんじょう〕」に使用された仏具の一つであったと伝えられています。
重要文化財
木造大日如来坐像 <もくぞうだいにちにょらいざぞう>
多宝塔安置(鎌倉時代)
宝塔の本尊として造立された大日如来。
造立当初のものと思われる光背と三十七尊化仏〔けぶつ〕及び台座の蓮華部は、創建当初の姿を今に伝えています。
鎌倉時代の新様式の作風で、御影供が始まった承安2年(1172)ごろから、建久2年(1192)までに造立されたものとみられています。
重要文化財
楠木氏文書 <くすのきしもんじょ>(南北朝時代)
楠木正成が金剛寺に送った自筆の書状など14通。写真は2月23日付けの書状。
幕府を倒す計画が失敗し、後醍醐天皇が隠岐へ流された後の最も苦しい時期に、金剛寺へ鎌倉幕府軍が攻めてきた事をうわさに聞き、金剛寺の総力をもって防戦することを願い送った書状です。
重要文化財
尊勝曼荼羅図 <そんしょうまんだらず>(鎌倉時代)
息災増益を祈念して修法をおこなう尊勝法の本尊として用いられています。
智証大師請来の図という尊勝曼荼羅は、平安末にはまだ一般に流布していない秘仏でした。金堂に安置する木造の三尊像とともに、この図が金剛寺に存することは、密教寺院として特徴ある性格を示しています。
重要文化財
白銅鏡 花鳥文様(鎌倉時代)
平安時代以降につくられた例が少ない白銅鏡。
この鏡は全面に山吹の花と葉をちらし、間に飛ぶ鳥を配しています。
中央の鈕座は花しべを意匠とし、図柄もよく整理されて完成した形式を示しています。